ラスベガスでタリバン狩り -無人機による空爆

2006年9月 Atlantic

Robert D. Kaplan

スロット・マシーンから、わずか数分のところにあるトレーラーで、空軍パイロットが、イラクやアフガニスタン上空のプレデター無人偵察機を操縦している。現代軍事テクノロジーの脅威と限界に関するケース・スタディ

イラクとアフガニスタンをめぐる、気の利いた出撃任務に従軍するため、私はラスベガスまで、飛行機ででかける必要があった。ラスベガスで、MGMグランド、ベラージオや、シーザーズ・パレスを通り越し、町の外までドライブし、一泊59ドルの低価格ホテル・カジノ・ビルに、チェックインした。そこは、運動着姿の肥満体の人々や、電動車椅子を操作する高齢者、ひどく熱狂した片腕のやくざ、ウイスキー、たばこと、ポップコーンのかおりに満ちていた。そこからわずか10分のネリス空軍基地に、迷彩柄トレーラーの一群があった。

「あのトレーラーの中はイラクです。もう一つのトレーラーの中はアフガニスタンです。」ケンタッキー、ルイスビル出身のクリストファー・プランプ空軍中佐が説明してくれた。「いずれにせよ、あそこに入れば、アメリカ中央軍AOR[担当地域]に入るわけです。」

つまり、これらトレーラーの中では、アメリカ北方軍管轄下の北米から離れ、アメリカ中央軍の領域である中東に入るのだ。ややこしい地理は、ここまでにしよう。

MQ-1Bプレデター無人偵察機、クルーの呼び方によれば“プレド”は、ここで操縦されているのだ。地下、そして、海底光ファイバー・ケーブルが、これらのトレーラーを、地上管制局に、実際は、パラボラ・アンテナで、バグダッド上空や、アフガニスタン-パキスタン国境沿いなり、どこなり必要な場所にいる、全プレデター無人偵察機と、直接接続しているヨーロッパとつなげている。現地の空港が、これら無人機を空中に発進させると、ラスベガスが、後を引き継ぐ。

プレデター無人偵察機は、軍が運用している何十種のUAV(無人機)の中で最も有名だ。1990年代に、バルカン半島で初めて使用されたが、イエメンで、2002年11月、プレデター無人偵察機から発射されたAGM-114Pヘルファイア徹甲ミサイルが、五人の仲間と砂漠を旅行中のアルカイダ指導者、アブ・アリ・アル-ハリティが乗った自動車を焼きつくし灰にして、その存在を確立した。また、プレデター無人偵察機は、イラク武装反抗勢力の指導者アブ・ムサブ・アル-ザルカウィの最期の日々を追跡していた。

大半の人は、無人飛行機と聞けば、恐らくは模型飛行機を思い描くだろう。実際、プレデター無人偵察機は、大きなグライダーのような形だ。全長8m、翼幅約15.24mという大きさは、セスナ・スカイホークの寸法に匹敵する。プレデター無人偵察機の外板が、金属をほとんど含まない複合材料でできているため、燃料や爆弾を除けば、重量わずか512キロで、4気筒エンジンによって、24時間も滞空できる。非常に軽いため、練習機の尾部を、片手で持ち上げるられた。パイロット用の生命維持装置も、余計な安全装置も必要とせず、わずか420万ドルしかしない。F-22一機の費用で、40機以上のプレデター無人偵察機を製造することができるのだ。420万ドルのうちの1/4が、飛行機の胴体につけられた回転する球体である“ボール”に使われるが、そこには光学機器、レーザーと、ビデオ・カメラが搭載されている。

しかし、プレデター無人偵察機で、最も目ざましい点は、ゆっくり飛行することだ。大規模な歩兵部隊の編隊を攻撃するのではなく、個人や、戦士達の小集団を探し出して殺すのが目的である、反乱鎮圧作戦では、飛行機が、より低速で飛べば飛ぶほどまさに好都合なのだ。また、低速で飛べば、損傷の度合いも少なく、それが、プレデター無人偵察機が、他の多くの飛行機より、保守の手間がかからない理由だ。

A-10やAC-130のような、低速飛行有人飛行機

アフガニスタン・パキスタン
2009/08/09 22:19



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